釣り大会inパナマ@ボカス・デル・トーロ_世界一周29

ツアー会社では恥をさらしつつ5ドルをなんとか守り通したわけだが、調子に乗って注文したキューバーリバーが一杯3ドルもしたため、私は節約をすることにした。

スーパーに向かう。

ところが、その道すがら、海で釣りをしているカップルを目撃した。

これまで散々知的なところを見せてきた私だが、実はただの知的さわやかな青年ではなく、 釣りもたしなむ。無人島ではモリなども使い、とある海では「狩猟採集民族」などという名で呼ばれたこともある。その経験から私はひらめいた。

釣った魚を食べればタダで暮らせるやん。

なんだか知的な匂いが少しもしなくなってきた気もするが、私は釣りをすることにした。

釣竿は高かったので糸と針だけをスーパーで購入する。
浮きは売っていなかった。釣竿も浮きもなしでどうやって釣りをするんだ、とお思いの方はアマゾンの漁師とかがやっている姿をイメージしてもらえばわかりやすかもしれない。

糸に針だけをつけて、あとはそれを海に放り投げ、アタリ(魚が餌に食いついた反 応)を待つ、いわゆる「手釣り」をするのである。
ますます知的な匂いが遠ざかった気もするが、魚が釣れればそれでいいのだ。

先ほどのカップルがいたポイント(釣り場)へ向かう。
すると、そこではカップル以外にも新たに地元のガキンチョも釣りをしていた。

カップルは当然のように釣竿持ちだが、彼も私と同じく釣竿はない。

ここに、野生児VS文化人の釣り対決が勃発した。2vs2なので数も同じで条件はイーブンである。

ちがった。あやうく忘れるところだったが私は野生児ではなかった。
さわやか青年VS野生児VSカップルの釣り対決が勃発した。

餌のソーセージを食べてから残りを針に刺す。人も魚も食うものは同じである。

そこのカップル、変な目で見るな。私は野生児ではない。

カップルは豪勢にもスーパーで買ってきたらしい魚の切り身を餌に使っている。ガキンチョは昨夜のあまりのようではあるが、同じく魚の切り身を使っている。

あれ?これ俺不利じゃね?

私が買ってきたソーセージは柔らかすぎて魚が釣り針にかかる前に簡単に取れてしまうのだ。アタリは感じるものの、一向に釣れない。
あんまりにも簡単に取れるので魚にあげるのが悔しくなって私はソーセージをさらに食べた。

「釣れたー!」

そうこうしている内にカップルが魚を釣り上げた。
15cmほどのカラフルな熱帯魚である。まあ、カップルは明らかに素人くさいので、このくらいはハンデとしてくれてやろう。

それにしてもソーセージは簡単に取れる。食べてばっかりなのでビールが欲しくなってきた。

「釣れたー!」

同じく15cmほどの魚。またカップルである。
どうやら私と同じくガキンチョもつれていないようだ。道具の差は中々に大きい。

「釣れた!」

と思ったら、ガキンチョが20cmくらいの魚を釣り上げた。
釣れてないのは私だけである。

夕方になり、カップルはその2匹で満足したのか、引き上げていった。

甘いな。素人である彼らは知らないのかも知れないが、夕方から夜にかけてこそ、魚の食事の時間帯であり、大物を狙うのであれば、これからが勝負の時間帯なのである。

私は20cmの魚を釣り上げた暫定王者のガキンチョへの闘志を胸にソーセージを投げた。

そこに、ついに私に待望のアタリである。完全に針にかかっている。引きも強い。
これは大物に違いない。

ほれ見たことか、さすが私、と思って勢いよく引き上げると、10cmの小魚が釣れた。なんでや。

結局その後ガキンチョは30cmと25cmの魚を釣り上げたのに私はなにも釣れなかった。
さらにガキンチョは去り際に「ソーセージじゃつれないよ、この切り身あげるからまた明日がんばりな」と私に言い捨てていった。

誰か酒もってこい。

一人になっても魚は釣れない。夜も更け、蚊も多くなってきたし一人になってしまってさみしかったので私はソーセージを食いつつ酒を求めて宿へ帰った。

私の宿にはバーがある。
しかもこのバー、ビールが1ドルととてもリーズナブルなので、そこでソーセージをつまみに酒を飲む。

ビールを飲みつつ、ソーセージをもっちゃもっちゃと食う。少しひもじいが、魚が釣れなかった以上、仕方がない。

「Can you eat it? (それ食べれんの?)」

ひもじく酒を飲む私に隣の酔っ払いが話しかけてきた。
食えるよ、いるんか?魚は釣れんけどな。と親切な私は酔っ払いにソーセージを差し出す。

ひもじくてもソーセージくらい分けてやるさ。

なのにあろうことか酔っ払いは拒否した。なんでや。
酔っ払いのくせに私のソーセージを拒否するとはいい度胸である。

「LOOK(見ろ)」

そう思った私に酔っ払いはソーセージに書かれている注意書きを指差す。
スペイン語だ。読めん、と伝えると英語で教えてくれた。

「CAN’T EAT RARE(生じゃ食えんよ)」

おうびっくり。

母よ、お腹が丈夫な子に生んでくれてありがとう。

 

次回→パナマでの恐怖体験@ボカス・デル・トーロ_世界一周30
前回→バックパッカー向けのパナマのリゾート地@ボカス・デル・トーロ_世界一周28

 

コメント

  1. サンコン より:

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    さすが野生児やで生ソーをそのまま食うとはな!w(^ω^)
    ところでそろそろ持ち前の色気で現地妻とかGETせえへんの?ダンディねぎさんw

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    こんにちは!
    釣り残念でしたね!生ソーセージはその後大丈夫でしたか?
    世界のどこかでお会いできると楽しいですね!
    どうぞイェイ旅を!!

  3. ねぎ より:

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    >サンコンさん
    色気では言葉の壁は突破できないらしく、むずかしいな笑

  4. ねぎ より:

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    >世界遺産イェーイ!1号さん
    おお、有名なセカイェのかたにコメントいただけるとは。ありがとうございます!
    お腹はいたって無事です。丈夫みたいです笑

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