エクアドルの赤道記念碑の嘘。本当の赤道を求めて@キト_世界一周81

$かもねぎ世界一周。~地球をぐるりと飲み歩き~

「世界をまたにかける男」というと、やり手ビジネスマンだとか、大企業の社長だとか、
国家の大臣だとかを思い浮かべる人は多いだろう。

確かに彼らはすごい。
南から北まであらゆる国々を飛び回り、次々に仕事をこなしていく。かっこいい。

だが、私も負けてはいない。
南から北まであらゆる国々を這いずり回り、次々に酒を飲み干してきた。

なのにだれも「かっこいい」とほめてくれない。不思議である。
いったい、「世界をまたにかける男」と私のどこに違いがあるのだろうか。

悩める私は宿のロビーでネットを開いた。

ネットは何でも答えてくれるのだ。
これまで、宿情報に観光情報と様々な面でお世話になってきた。今度もきっと、答えてくれる。

答えを求め、私はWebページを次々とめくっていく。だが、なかなか私の思う答えにたどり着かない。
調べ方がよくないのだろうか、と思い、検索ワードに「私」「また」「かける」と入れた。

やらしいページがでてきた。

これを参考に「世界をまたにかける男」として行動すればどうなるか。
確実に知り合いの女性全員が離れていく。ことによれば、どんな罵声を浴びせられるかわかったものではない。

却下である。世界をまたにかける男になるのはなかなか難しい。

そんなばかばかしいことを考えている私に宿の仲間が声を掛けてきた。

「いまから赤道行くねんけど、一緒に行かない?」

赤道か。世界をまたにかける男の成り方は思いつかんし、せっかく誘われたことだし、行ってみようと思い、

「あ、行きます」

と軽い返事をして私は出かけることにした。
しかし、このとき一緒に行くことになったYさんとTさんの会話の中の一つのフレーズ、
「赤道を横切って往復したら、世界一早く北半球と南半球動いてる男になれる」というものを聞いた私の脳裏に雷が落ちた。

すぐに方程式が成り立った。

「赤道をまたぐ男=南半球と北半球をまたにかける男=世界をまたにかける男=おれ、すごい」
天啓を授かった私は赤道記念碑へ勢い込んで向かった。

だいじょうぶ、あたまはだいじょうぶです。

赤道記念碑はびっくりするほど混んでいた。そこには私たちのような海外からの観光客からだけではなく、エクアドル人までいる。
なぜこれほど人気があるのだろうか。

言ってしまっては何だが、この記念碑、別にどうということはない建造物である。
意匠にこっているわけでもなく、歴史があるわけでもなく、巨大でもない。
赤道の上にあるということ以外に何の特徴もない。

そのような場所がここまで人でごった返すということは、「赤道をまたぐ」という行為は地元エクアドル人にしても、抗しがたい魅力があるのだろう。

定期的に訪れてもなお飽かないなにかがあるのだろう。あるいはピラミッドパワーに似たなにか神秘的な力かもしれない。

それによって、「赤道をまたぐ男」としての名だけでなく、実としての能力まで手に入れ、名実ともにパワーアップすれば、
日本で私を散々悩ませてくれているあのくそいまいましい修士論文用の研究にピリオドを打てるアイデアが降りてくるかもしれない。

実験器具と向き合い後輩と「こまったなー」と無駄に茶をしばく日々を終わらせられるかもしれない。

赤道なのだ、何があってもおかしくはない。
確かめるべく、赤道記念碑の正面に延びる、半球を南北に分かつ線の上でブリッジをした。

さあこい、赤道パワー!!頭よくしろ!

赤道をまたではなく、背中にかけている気もするが、それはこの際無視する。
ひさしぶりのブリッジにぷるぷると震える両腕で身体を押し上げ、耐えること30秒。

赤道上に降り注ぐ陽光を全身に浴びた私は周囲から押しよせてくる力を感じた。
物理的な圧力すら感じられそうなそれは確かに私にある一つの真理を告げている。

「変なジャパニーズのせいで景観が台無し」

そこかしこで写真を撮っているらしい周囲の人々の視線が痛い。
赤道パワーを授かるには無用のことだからあえて詳述しなかったが、
前述の通りここは大変混んでいる。みな、家族や友達、恋人で記念碑をバックに写真を撮っている。浅草の雷門前のような状態だ。

私はその中心でブリッジを敢行しているのである。
否応なく、みなの写真に写りこむ。

ほのぼの写真も、ラブラブ写真もプルプルした私のブリッジがお供である。
「はやくどけ」という無言の圧力がすごい。

背中にかく汗がは赤道上の強烈な日差しのためなのか、この圧力による冷や汗なのか。
その場から離れて店で買ったコーラをすする私の頭の中には当然のように
研究のアイデアなどさっぱり沸いてこなかった。

赤道パワーなどやはりないのか。
あきらめかけた私に、一緒にここを訪れた一人が告げた。

「あの赤道、偽物なんだよ」

彼の示した航空写真によると、本物は100mほど離れた道路の上に存在するらしい。

ここも、隣の赤道記念博物館にある「赤道」、そのどちらも偽物らしい。
どうりで力を感じなかったわけだ。彼の持つ写真に従い、さっそく本物の赤道が通る場所でブリッジしてみた。

「なにしてんの、君」
「パワーを感じているんです」

そこで働くおっさんと心で会話をした。おっさんは変質者を見る目で私を一瞥した後、目をそらした。

失礼なやつだ。工場の前でブリッジして何が悪い。

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赤道が何の変哲もない工場の前を通っているのが悪いのだ。
工場の入り口で突然ブリッジした私は別に変質者ではない。「パワー」とかつぶやいてもみたが、変質者ではない。

赤道パワーをたっぷり浴びて、私は帰途に着いた。
神秘のパワーで出来のよくなった気がするおつむは告げる。

「赤道パワーなんてあるわけないやろ。あほなんちゃうか」

私のおつむは成長しないらしい。研究どうしよう。

 

 

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6件のコメント

  • サンコン

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    変態……?w

  • 熊五郎の家

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    久々の更新で、力が入っていましたね、長文!「研究」という現実が入ってきたところが、赤道パワーのような気がする。いまだにブリッジできたんだと、びっくりです。エジプト治微妙だし、ギリシア経済危機があるみたい、ニュースきをつけなはれや。

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    ねぎくんが顔の見える写真載せてるの珍しいねっ!
    私はいち早く現実に引き戻されてます笑
    ダハブはめちゃ楽しいらしいから楽しんできて!

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    >サンコンさん
    うるさい笑

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    >熊五郎の家さん
    赤道パワー…現実を見ることにしか使えんというのはがっかりです。もっと「楽せず儲かる!」みたいなものを期待していたのですが笑
    エジプトいたって平和です。

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    >☆THE☆さん
    おお、ついに戻られたのですか。
    僕もあと少しです。ラストまで、精一杯たのしみます☆
    ダハブは、ほんとにたのしみです

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