めざせ!メキシコのゴロンドリナス洞窟!@アキスモン_世界一周旅行記15

ヒリトラからゴロンドリナス洞窟(ソタノ・デ・ラス・ゴロンドリナス(SOTANO DE LAS GOLONDORINAS))のあるアキスモンまではローカルバスで2時間ほど。

サン・ルイス・ポトシ州の田舎からさらなる田舎へと移動するのである。

まわりは見事に山ばかり。ヒリトラまで何とかやってきた私だが、窓の外を眺めてはあまりの未開具合にまどろむことすらできない。不安がよぎる。

ほんとうに私は村に向かっているのだろうか。いきなり道端に下ろされたりしないだろうか。

不安を抱いても仕方がないし、疑っても仕方がない。そんなことはわかっているのだが、窓の外の景色に私の猜疑心は膨れ上がっていく。


というのはもちろん嘘で、私は思いっきり寝た。切符に「アキスモン」と書かれている以上、不安もくそもない。寝ててもほっとけばバスは私をアキスモンの町まで連れて行ってくれるのだから。そうでなければバスでない。



そして2時間後。



私はいきなり道端で下ろされた。



なんだと。



どういうことだ、と混乱する私をよそに荷物も下ろし走り去るバスモドキ。



見事な放置っぷりである。ここからどうすれば村にたどり着けるのであろうか。それ以前にここはどこなのか。疑問も不安も尽きない。しかし、幸いにも近くには暇そうなタクシーのおっさん達がトランプをしている。この際高くなければ、タクシーを利用してもいいか、と思い私は話を聞いてみることにした。

「あの、アキスモンって、どうやっていけばいいんですか?」

「少し待っていろ」

予想外の答えである。タクシの乗車を勧めもしない。トランプはそんなに楽しいのか。困っている私を、客を放置するほど楽しいのか。そんな私の不満をよそに、おっさん達のトランプは盛り上がる。

おっさん達が5回もそのトランプを終えたあとだろうか、私が来た方向とは逆の方向からバスモドキが来て、ジャイアント馬場のようにでかい男やカップル、他おばさん数人を道端に放置していく。なんなのだ、あのバスモドキは。きちんと村まで運ばんかい。きっと今下ろされたかれらも私のように途方にくれるに違いない。

しかし私の予想は見事に外れる。彼らは迷いのない足取りでこちらへくるではないか。その人々を見て、おっさんの一人が立ち上がり私に声をかけてきた。

「よし、いくぞ。彼らと一緒にお前もタクシーに乗るんだ」

どうやらおっさんは相乗りさせるために彼らが来るのをまっていたようだ。それならそうといってくれればいいものを。ただトランプに興じていたようにしか見えんかったぞ。まあ、先に来ていたおかげで3人掛けになる後部座席ではなく、一人掛けになる助手席に乗り込めたことだし、よしとしよう。

後部座席に3人のおばさんが乗り込む。カップルとジャイアントはあとのようだ。カップルのうち、女性はなかなかかわいかったので、どうせなら彼らと一緒がよかったが、まあよい。出発である。

「いやまて、もう一人乗る」

なんだ、もう乗るところないぞ?

「君のところに乗れるじゃないか」

いや、ここはどう見ても一人用だろう。カップルの片割れの女性ならなんとか一緒に乗れんこともないだろうが、彼氏はいいのか?行く先は同じなのだから気にしないのかもしれないが、私は男だぞ?うれしいぞ?

私は席を半分空けた。


そこにジャイアント馬場のような男が乗り込んでくる。ふざけるな。


馬場の身体はでかい。半分どころでは到底収まりきらない。おかげで私は押し出され、運転席に身体がかかっている。ギアを変えるレバーに今にも触れそうである。これでは運転に支障が出るし、危険である。助手席に乗り込む人間をぜひ一度再考してもらいたい。

しかし、そんなわたしの思いをよそにタクシーは発進する。速度があがるたび、ギアはより高速側へかえられていく。1速から2速へ、高速側のギアへシフトすると助手席のほうへレバーが迫る。私のほうへレバーが迫る。

3速で私の腿にレバーが接触。ここから4速に動かされたら間違いなくいたい。というか、下手したらレバーがぶち壊れる。タクシーのおっさんに、3速で止めろ、、ギアを変えるな、腿に当たっている。とジェスチャーで伝える。

しかしおっさんは無情にも4速にシフト。私の腿にレバーが食い込む。

おっさーーーーん!見たらわかるやろ?てか、見んでもわかるやろ?シフトするとき抵抗すごかったやろ?なんでシフトすんの?なんでしふとすんの?あほなの?あほなんやろ?



20分後。アキスモンの村に降り立った私の腿にはしっかりとレバーの跡がついていた。
(長くなりすぎるので、次回(いきなりウルルン滞在記@アキスモン  世界一周その16)へ続く)

次回→宿がないのでウルルン体験!ゴロンドリナス洞窟最寄りの町アキスモン_世界一周16
前回→到着!メキシコジャングルの変な城!LasPozas de EdwardJames@ヒリトラ_世界一周旅行記14

 

<交通情報>

ヒリトラ(JIRITLA)→アキスモン(AQUISMON)
ヒリトラの町から乗れるバスで33ペソ(270円)。
アキスモンのバス乗り場→アキスモンの村
乗り合いタクシー7ペソ(60円)

コメント

  1. 風でしょうか、いいえ余震です。 より:

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    こんなに引っ張って期待させといて、
    ガッカリな洞窟だったら許しませんぞ。

  2. ねぎ より:

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    >風でしょうか、いいえ余震です。さん
    おおう、プレッシャー。
    でも、あれですよ?
    ど、どうくつのことは私の責任では…、あ、だめですか?すいません。でも、たぶんだいじょうぶです。

  3. 熊五郎の家 より:

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    洞窟到着おめでとうです。それにしても、ウルルンしました。おっさんによろしく、でも、気もぬかないで。あなたは「かもねぎ」なのだから。

  4. ねぎ より:

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    >熊五郎の家さん
    おっさんはいい人でした。
    はい、鍋にされないよう気をつけます。それか、身体にタバスコでも塗っておきましょうか笑。

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