トマト祭り参戦!3~NICE FIGHT!からの続き。トマト祭り本番の話です
「トマト!トマト!」
広場にいる人々が口々に叫ぶ。
しかしそれでもしばらくは何もおきない。
みなの期待と、熱気だけが高まっていく。
そこへ、黄色い荷台を背負ったトラックが現れる。荷台には何人もの人。
トマトを周囲へ投げている。
ついに来た!
みなの視線を一身に集め、人ごみを押し分け、トラックはのろのろと進んでいく。
本当に遅い。が、まあ無理もない。トラックが来る前からすでに満杯の通勤列車のような状態なのだ。
むしろ、どうやってトラックが通ってるのか不思議なくらいである。
トラックが目の前を通り過ぎる。疑問はすぐに氷解した。
単純に「満員電車」から「すごい満員電車」になっただけだ。
ようは、人を無理やり左右に押して、トラックは通っていた。
圧縮され具合が半端ではない。手がどこにあるのかわからん。
早く通り過ぎろ!
トラックが抜ける間、それだけを願った。
そしてトラックは通り過ぎていった。
……ん?トマトどこ?
視界には乗組員が投げたわずかなトマトがたまに飛んでいるだけである。
トラックは、私達のいる場所から遠い場所にトマトをぶちまけたようだ。
トマト祭り本番なのに、悲しすぎるトマトの数。これならスーパーでトマトを買えば自力でできる。
みなは次のトラックを待った。トラックは合計5台来るのだ。
そして、次にやってきたトラック。
これこそが私の待ち望んでいたそれだった。目の前で荷台の角度が上昇していく。
どんどん上昇するそれは、ある角度のところで、とまり、そしてその中身を道路にぶちまけた。
あふれ出るトマト。
立ち込めるトマト臭。
初めて知ったのだが、トマト、集まるとすごくくさい。
ようやく始まったトマト祭り。
拾っては投げ、拾っては投げ。
トマトをぶつけ、ぶつけられ、目にしみるトマトの汁に苦しみながらも、私は心ゆくまで楽しんだ。
祭りを終えた帰り道。
はぐれた仲間と合流し、ブニョールからでるべく私達は駅へと向かった。
彼らは追いはぎにあわなかったようで、私だけ上半身裸である。
なんだか仲間はずれにあっている気がしないこともないが、
「いやー、おもろかったな」
「疲れたけどねー」
と、祭りが終わった後の心地よい疲労に身をゆだね、取りとめもない会話をしながら、駅の改札をくぐる。
そして私は駅員に捕まった。
「あー、上半身裸の人は列車乗せられないんだー」
だそうだ。
私のせいじゃないのにひどすぎる。
一緒にいた韓国人の人の上着を借りれたからなんとかなったが、
そんな制度があるならもうちょっとあの追いはぎ連中をなんとかしてほしい。
列車の中やホームにいた、「白い服着てきたのに、赤くなっちゃったー」という人々が憎らしかった。
赤く、したかったです。
ブニョールの町を離れ、その日のうちに私はスペインのハイライト、バルセロナへの夜行列車に乗りこんだ。
次回→サグラダ・ファミリアとプロポーズ@スペイン・バルセロナ_世界一周89
前回→トマト祭り参戦!3~NICE FIGHT!@スペイン・ブニョール_世界一周旅行87
コメント
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お久しぶりです
以前コメント書いたakiです
いつもブログ見てます
今メキシコにいます!グアナファトです
クリールではあの水の止まる宿では
何の問題もなかったです(笑)
友達と一緒に笑ってすごしました(笑)
ちょくちょく私のブログでもかもねぎさんを
紹介させてもらってます!!
スペインは私も行きたい国の1つです!
いつかヨーロッパは行けたらと思ってます!
お気をつけて!!
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>akiさん
おひさしぶりです。もう終わりですねー。さびしいやらほっとするやら。
しかしシャワー。
なぜ。
私の時はきっちり止まってくれたのに。
なぜakiさんのときだけっっ
みんなもあのシャワーに苦しめばいいんだっ笑