チチェンイツアーはメキシコの有名なリゾート観光地カンクンから日帰りで来れる交通至便な遺跡である.
しかもここは、メリダとカンクンの間にあるため、メリダからカンクンを通り、プラヤ・デル・カルメンへ行く私にとって非常に好都合であった。これは行くしかない。
そこで午前11時、私はメリダのバスターミナルへ向かった。もうメリダに戻るつもりはないため、宿をチェックアウトしてすべての荷物を背負って歩く。
炎天下の中10kg以上の荷物を背負って歩くのは辛いものがあるが、チチェンイツアーには荷物置き場があるため、この辛い移動もバスターミナルまでである。そう思うと、重い荷物を背負っての移動も少しは楽になるというものだ。
バスターミナルに着き、汗をかいた背中からリュックを離し、床に置く。
重い荷物から開放されホッとしたのも束の間、バスターミナルが今までになく込み合っていることに気づく。早急に切符を買うための列に並ばなければならない。
せっかく身体を冷やし汗を引かせたので、再び荷物を背負う気にはなれず、荷物を引きずり列に並ぶ。
列は長い。バスターミナルの職員もメキシコ人にしては珍しくてきぱきと動いているが、私の番になるまで中々遠そうだ。
しばらくたって、ようやく私の番が来た。
「チチェン・イツァー行きのバスをくれ」
男の職員にカタコトのスペイン語で話しかける。私の言葉に対応し、すばやく切符の発行手続きを行う職員。
しかし、なにかが変だ。
何度やっても切符が発行されないようである。しまいに彼はどこかへ助けを求めにいってしまった。取り残された私はひどく不安である。
数分後、彼が帰ってきた。私を見るなり、首を振り残念そうな声色で言う。
「満席だ、今日のバスはもうない」
うむ、わかりやすくどうしようもない。
こんな時にわがままを言うほど私はガキではない。
重い荷物を背負ってまた同じ宿に帰るくらいなんということもないし、せっかく引いた汗をまたかくくらい軽いものであるし、1日無駄になるくらい全然かまわないので彼とみっちり話し合わせていただいた。
20分後。彼がわかった、わかった、とうなずく。ついで、なにかを机の下から探りだしてきた。
特別に余った切符でも出してくれるのだろうか。やった、ごねてみるもんだ、と表面上は殊勝な顔をしながら私は心の中でガッツポーズをとった。
出てきたのは水である。
他に渡されたのは明日の切符。どうやら20分かけて伝わったことは汗をかいた事だけだったらしい。ガッツポーズを返せ。
翌日。予約切符の効力で特にトラブルもなく私は正午過ぎにチチェンイツアーに到着した。
さすがにカンクンから近いだけあって、すさまじい数のアメリカ人観光客である。おかげで英語は通じるし、物価もメリダの倍近くするし、入場料も他の遺跡の倍以上である。
アメリカか、ここは。
貧乏旅行者の私としては、こんな物価のところであまりものを買いたくなかったので、プラヤ・デル・カルメンの宿までできるだけ水分を取るのを我慢することにして炎天下の観光を強行した。
ところが、このプラヤ・デル・カルメンの私が泊まろうと思っていた宿もチチェンイツアーのバスのようにまたもや空きがない。汗まみれの上に喉もからからだったので、私はバスのときと同じく受付の方と話し合わせていただいた。
5分後。受付の人がわかった、わかった、と頷き、奥の部屋へと引っ込んだ。
今度こそはうまくいったか。私は喜んだ。すると、コップいっぱいの水が出てきた。
もうええっちゅうねん。
都市をまたにかけてボケをかぶせてくるとは侮れんやつらである。
次回→メキシコの地底湖、セノーテでダイビング♪@プラヤ・デル・カルメン_世界一周21
前回→めっちゃきれい!メキシコの地底湖、セノーテで泳いだ!@メリダ_世界一周19
<移動方法>
メリダ→チチェンイツアー
ADO社のバス112ペソ(800円ほど)
チチェンイツアー→プラヤ・デル・カルメン
ADO社のバス250ペソ程度(1900円ほど)
<プラヤ・デル・カルメンの宿>
宿名:URBAN HOTEL
住所:AV.10 entre calle 4 y 6
ドミトリー120ペソ(900円)。プラヤ・デル・カルメンではおそらくかなり安いほう。キッチン、無線LAN、朝食付。水とコーヒーフリー。ホットシャワー、トイレ共同。
行き方:東西に走るAV.10道路の北側、CALLE4と6の間にある。なお、住所のentreは英語ではbetweenの意味。
コメント
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とても熱いってことはわかったわ。
それにしても、綺麗な空ね。
ところで、
メキシコと言えばテキーラだけど、
もうお試しになったのかしら?
「俺、ビール党だからテキーラは、、、」
なんて、言わせない。
また通りすがるわね、
アディオス
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>通りすがりの峰不二子さん
おごってもらってキャップ2杯分飲みましたが、度数が高すぎて味の些細な違いは全然わかりません。あれは人の飲むものではないです笑