こわいぞ！グアテマラシティ＠フローレス→アンティグア_世界一周23

グアテマラ観光のハイライトであるティカル遺跡の観光の拠点となる町フローレスからは旅行会社が各地へとシャトルバスを運行している。

移動時間の短縮はもちろんのこと、首都であり、中米有数の犯罪多発都市グアテマラシティを通らずにフローレスから各地へ抜けられるということで、その需要は非常に多い。

私のような超一流のバックパッカーともなると、安全管理もきちんとできているため、値段だけですべてを決めず、時にはこのような手段も用いて危険地帯を回避するのである。
節約が常にえらいわけではない。無謀と勇気はイコールではないのだから。次なる目的地はアンティグアだ。

２００ケツアール(約2500円)あれば足りるだろう。さあ、チケットを買うぞ。

「足りないよ、貧乏人。一番安くて２８０だ。出直してきな」

…

こうして超一流とかのたまっていたアホが一匹、危険地帯に放り込まれることになった。アホは夜行バスで一路グアテマラシティへ向かう。


グアテマラシティ到着は朝方5時。あたりはまだ暗く、人気も少ない。さらにどこからか腐臭がする。グアテマラシティに心底ビビッていた私は到着したバスターミナル内で日が昇るのを待った。
朝7時。日が昇る。あたりが明るくなり始めた。
アンティグアへ向かうバスターミナルは歩くには遠いのだが、どう移動しようか。市バスも走っているらしいが、ルートも利用方法もさっぱりわからんぞ。などと考えつつバスターミナル内から私は足を踏み出した。

途端、タクシー！タクシー！と声がかかる。どいつもこいつも目がぎらつき、犯罪者に見えるが、とりあえず一番まともそうなおっさんを捕まえて乗せてもらうことにした。

車に案内される。

しかしタクシーじゃない。

普通の乗用車である。もうこれはあかん匂いしかしない。おっさんのまともそうな見た目は気のせいであったようだ。

DEAD　ENDがすぐ目の前にある。私はすぐに丁重にお断りを入れようとした。
だが、後からやってきた小さな子供を連れた家族がためらいなく乗り込むのを見て、少し思い直した。ひょっとしたら、だいじょうか？と。

大人ばかりの家族ならば間違いなくグルかと疑っていたのだが、小さな子供連れである。いくらなんでも子供連れで犯罪はおこさんだろう、と思ったので、子供を信じて乗ることにした。

もちろん、いざというときに逃げやすいように一番最後に乗り込み、鍵は開けっ放し、荷物は自分で抱えてであるが。

幸いなことにこの、「子供を信じる」というのは正しかった。

車は無事アンティグア行きのバスターミナルへ到着。そこから出るバスに乗り、私はアンティグアへたどり着いた。


まあ、グアテマラシティも普通に暮らしている人がいるのだから、後から考えてみると、びびりすぎだったのかもしれない。
一息ついて、そう思っていた私にアンティグアの宿で共同部屋に一緒に泊まっていた人が笑いながら言う。

「いや、僕はグアテマラシティからここに来るまでで全財産すられちゃって、日本へ帰らないとダメになっちゃったよ。はっはっは」

かわいそうすぎてまったく笑えない。こわすぎるぞ、グアテマラシティ。


次回→暑いぞ！グアテマラの火山、パカヤ火山＠アンティグア_世界一周24
前回→メキシコからの国境越え！グアテマラ入国＠パレンケ→フローレス_世界一周22

<今回の交通手段>
フローレス→ティカル遺跡
ツアー会社San　Juanのシャトルバスで往復８０Q（１０００円）
フローレス→グアテマラシティ
FDN社のバスで１６０Q（エアコン付）。エアコンなしなら１２０Q
グアテマラシティ内（FDNバスターミナルからアンティグア行きのチキンバスの出るバスターミナルまで）
よくわからん車１０Q
なお、タクシーなら３０Q程度
グアテマラシティ→アンティグア
チキンバス９Q
なお、旅行会社のシャトルバスはフローレス→アンティグアで２４０～３１０程度。

＜アンティグア(Antigua)の安宿/格安ホテル＞

宿名：ペンション田代
住所：Calzada Santa Lucia,Pasaje Matheu 11A
TEL7832-1644
ドミトリー４５Q、シングル５０Q～。２泊以上で割引あり。
ネットはいちにち１０Qで使い放題。キッチン、シャワー、トイレは共同だが、ある。情報ノートも。入り口にはホテルともなんとも書いていないので、11Aという住所の看板が目印。
行き方:グアテマラシティから向かった際に到着するアンティグアのバス亭から近いため、周囲の人間に聞けばわかります。
バス停から東へ行き、ぶつかる大通りAlmaeda　de　Santa　Luice通りを南へ行った、向かって左側（東）の、二本目の道の奥。なお、この道はペンション田代の近くで行き止まり。