イグアスの滝はブラジルとアルゼンチンの二つの国にまたがって存在する。
このため、イグアスの滝をすべて見ようと思うと国境を越えなければならないのだが、
私はブラジルの国境を越える際、水をそこに忘れてしまった。
たかが水、されど水である。通るついでに、できたら回収したい。
私はアルゼンチンからパラグアイに向かうバスをブラジルの国境で途中下車した。
そしてそこで無事、係官によって保存されていた水を回収することができた。
人が多く通る国境でわざわざ取っておいてくれたのはありがたい。
私は係官にお礼を言い、国境のバス停でパラグアイ行きのバスを待つことにした。
しかし、バスはなかなか来ない。
ブラジル行きのバスは20分に一度くらいは来るのだが、
パラグアイ行きは中々こない。
じっとしていたせいで寒くなった私は国境周辺をうろついた。
するとそこに声がかかる。国境を預かる兵士の一人だ。
うろうろする私を不振にでも思ったのだろうか。とっさにバス停へと戻ろうとしたのだが、詰め所の中へと行くよう促された。
失敗した。めんどくさいことになりそうだ。
しかしその私の考えとは裏腹に、彼はとても親切だった。
コーヒーをくれ、寒いだろうからと、しばらく部屋の中にいるよう勧めてくれた。
その言葉に甘え、部屋の中でバスを待つ。そこにパラグアイ行きのバスが通りかかる。
私は勢いよく飛び出し、運転手へ「乗せろ」と合図を送る。
しかし運転手はそのまま行ってしまった。気づかなかったのかもしれない。
やはりバス停で待たなければならないようだ。私はバス停で待った。
そしてその次のパラグアイ行きのバスが来る。私は今度こそ、と先程より激しく「乗せろ」と合図を送った。
だが、運転手は指をチッチッ、とふり、通り過ぎてしまった。
そしてその次もその次も。指を振り去っていく運転手。
「チッチッ」「チッチッ」一時間以上、寒空の中を待って、指を振る動作一つで袖にされる。むごい。
あきらめて、私はブラジル行きのバスに乗った。ここからパラグアイ行きに乗ることはあきらめたのだ。
多少お金はかかるが一旦ブラジルまで行き、そこからパラグアイ行きのバスに乗り換えることにした。
まあ、水は回収できたし、よしとしよう。
回収できた水代 :150円
追加で払ったバス代:400円
私が待たされた時間:プライスレス
鼻水が出た。あほみたいである。
次回→パラグアイで学ぶスペイン語@シウダーデルエステ→イグアス市_世界一周旅行50
前回→すごすぎ!南米の大瀑布イグアスの滝@プエルト・イグアス/フォスド・イグアス_世界一周旅行48
<交通情報>
プエルト・イグアス→シウダーデルエステ
バスで8500G(グアラニー)、または7アルゼンチンペソ
アルゼンチン国境では全員降りるので出国スタンプは問題ないのですが、パラグアイ国境では誰も降りないため、自分からパラグアイの国境で降りて入国スタンプを貰う必要があります。もらわなければ、またこの国境を訪れなければならなくなるため、注意してください。
なお、ブラジルの国境では降りる必要はありません。
コメント
SECRET: 0
PASS:
指をふられたか、多分おっさんの名前はピッピだろう。
SECRET: 0
PASS:
>サンコンさん
月の石あげないとあかんな笑
SECRET: 0
PASS:
いつものように、楽しく笑わせていただきました。プライスレスって素敵。
SECRET: 0
PASS:
>熊五郎のさん
すてきです。他人事ならもっとすてきだったのですが笑