※前回→無謀?真冬のパタゴニア、フィッツロイ登山1@エル・チャルテン_世界一周旅行55からの続き
フィッツロイ山中でのトレッキング中のことである。女性に突然こう告げられた。
彼女は少し年上の地元の女性。オレンジ色の防寒着が一面真っ白な雪景色に映えていた。頬を赤く染め、うれしそうに笑っている。
私のファンだろうか。さすが私、外国でファンを獲得してしまった。
私の魅力はワールドワイドのようだ。
今回の出来事を日本の私のファンが知れば自分の目が間違ってなかったときっと喜ぶことであろう。
今度教えてあげよう。
と、私は感動していたのだが、よく考えると日本に私のファンなんかいなかった。
どちらかというと「あっちいけ」とか言われていた気もする。ということは、彼女はファン第一号である。大切にしてあげねばならない。
この時はトレッキングの帰り道のことで疲れていたのだが、彼女の話をしっかり聞いてあげることにした。
「あなたのことが気になって」
彼女は下を向いてうつむいて言う。恥ずかしがりやのファンだ。どんなところが気になったのだ?
「その足…」
足?マニアックだ。私の上半身はいらないのだろうか。
しかしファンは大切にしなければならない。私は先を促す。
「その靴…」
いけない香りのするトレッキングシューズを彼女は指差す。
さらにまにあっくだ。私の上半身と下半身はいらないのだろうか。
というか、もう私のパーツは足の先しか残されていない。私じゃなくても良いのではないか。よろしくないぞ。
「スニーカーでしょ。あぶないわよ。気になって追いかけてきちゃった」
安心した。足の先が彼女にとっての私のすべてかと思った。
よかった。
トレッキングシューズを買えないので、
「トレッキングシューズ、これはトレッキングシューズ。だいじょうぶ、だいじょうぶ。おれだいじょうぶ」と
自分に言い聞かせてここまで歩いてきた私を彼女は心配して追いかけてきたようだ。
そこまで私の身を案じるとは、さすがファンだ。
とか思って彼女を見ると、その防寒着の肩口にこうあった。
「レンジャー」
ファンでもなんでもない。お仕事である。
よろしくない。
次回→無謀?真冬のパタゴニア、フィッツロイ登山3@エル・チャルテン_世界一周旅行57
前回→無謀?真冬のパタゴニア、フィッツロイ登山1@エル・チャルテン_世界一周旅行55
コメント
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スニーカーはやばいべ(≧▼≦;)
あいかわらず、きれいな写真だね。
うらやましいかぎり。
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パタゴニア行きたいー!
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おれもネパールでアンナプルナに登ろうと思ってます。スニーカーで(笑)
お気をつけて!
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>たいたいさん
やばかったですねー笑。
ありがとうございます♪実物、最高でした☆
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>☆THE☆さん
クリックありがとうございます♪
ほんまよかったです!
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>YUROさん
おお、なかなかアホなことしようとしてますね笑
YUROさんもお気をつけて!