※前回→無謀?真冬のパタゴニア、フィッツロイ登山2@エル・チャルテン_世界一周旅行56からの続き
フィッツロイトレッキングを終えた翌日、宿で目を覚ました私は自分の置かれている状況に恐怖した。
動けない。目は覚めているのに一歩も動けないのだ。さらに痛みも襲ってくる。
こわい。わたしはいったいどうなってしまうのだろうか。動いたらどうなってしまうのか。
筋肉痛こわい。
恐怖のあまり正午過ぎまで寝た。
しかし寝すぎたもので空腹になった。意を決して起き上がる。
予想される痛みに心の中で備える。足に力を入れ、動かす。途端に激痛が走った。
予想を超えた激痛が走った。あんまり痛かったので「え、怪我してた?」と思わず足を見て確認してしまう。
もちろん怪我は無かったのだが、この日はひたすら筋肉痛と闘うことになった。
なにをするにしても痛みに耐えることが必要になった。
ベッドから床に足をつける時には「ぐうう」と足を踏ん張り、
一歩踏みしめるたびに「ふっ」と息を吐き、
階段を上る際は「ぎぃぃ」と手すりにつかまった。
ひ弱っ子、ここに極まる。
それなのになぜか私はこの日も往復10kmのトレッキングに行った。
ぴっこを引き山道を歩いた。
間断なく襲う痛みを自分から引き起こす。今日からはじめるセルフ拷問☆狂気の沙汰である。
目的地である5km地点に着いた際は足が痛すぎて座ることができなかった。
座ったが最後、立ち上がれないだろうとおもったからだ。私は限界だった。
そして帰り道。
みなさん知っていますか。限界を超えて動き続けると人間がどうなるか。
私はずっと歌っていました。
頭の中でわけのわからない「びびでばびでぶう」という歌をずっと歌っていました。
さらに時々なぜか笑っていました。一人で笑っていました。
わけがわかりません。
もうほんとうに限界だったようです。ただ、町を見つけたときの感動だけが記憶に残っています。
「もう、歩かないでいい」
その感動は絶景を見た感動にも匹敵するものでした。
フィッツロイトレッキングの写真はこちら
→<画像集>アルゼンチン・フィッツロイ山系
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コメント
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トレッキングの写真に感動、一番の感動はふくろう。くそ熱い日本を脱出しているねぎ君が、ほんとにうらやましい。でも、そっちは寒すぎる気もするが。これからも自虐ネタ、待っています。
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>熊五郎の家さん
私はそっちがうらやましいです。こっちは寒すぎです笑。
気温を足して2で割ってほしいです