「アルゼンチンワインが飲み放題」
そんな言葉をアルゼンチン北部の町メンドーサで聞いた。
「酒にうるさい」と評判の私としてはこの情報は聞き逃せない。
「酒が入るとうるさい」だった気もするがとにかく聞き逃せない。
「至高の一本」を求め、宿で出会ったカズさんという方と一緒に
この町にあるボデガ(ワイナリー)へワインの試飲へ行くことにした。
最初に訪れたボデガはガイドブックにも紹介されている有名ボデガ。
一定時間ごとに無料でツアーも催行されており、ワイン博物館も併設されている。
タダ酔っ払うためだけに酒を飲む人とは違い、そのワインの背景知識、
そしてそれにまつわる人々の思いも味わいたい私達としてはこれ以上ないボデガである。
もちろん我々は迷わず試飲だけをした。
白と赤、それぞれ一杯ずつ、計2杯のワインを飲ませてもらう。
白いほうは後味がすっきりしておりうまかった。しかし一方、赤のほうは少し臭みがあり、おいしくない。
「赤いやつ微妙ですけど、白いやつうまいです」
「俺もそう思う」
二人の意見は一致した。この白ワインはきっとボデガおすすめの品に違いない。
飲んでいる私達に職員が説明する。
「この赤ワインは賞を受賞したこともある由緒あるワインです」
白ワインは賞を取っていないらしい。
なるほど。
次のボデガでは少々お金を取られたが、4本のワインを試飲させて貰った。
ここのワインは最初に訪れたボデガのものよりもうまく、特に3本目に飲んだものが熟成させたたるの香りが感じられてが非常にうまかった。
試飲でお金を取るだけあって、これはさぞ名のあるワインを飲ませてくれたに違いない。
そう考えた我々はそのワインの値段を調べることにした。
ボデガの職員にことわり、販売されているワインを見て回る。
ほどなくして、そのワインは見つかった。棚に書いてある値段を読む。
300円。
なるほど。
3軒目。
「もうよくわからんです」
「というか、量少ないよね」
ボデガをたずね歩くのが面倒になった我々は一本200円のワインを買って飲んだ。
「うまい」
ソムリエにはなれそうにない。
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