朝起きると上におっさんがいた。
知らないおっさんが上のベッドで寝ていた。
私はドミトリーという共同部屋で二段ベッドの下に泊まっていたのだが、その上のベッドに靴のまま寝ている。
部屋に荷物が増えていないところを見ると、夜到着した客とかでもなさそうだ。
なんだこいつは。と思ったのだが、この日はイスチグアラスト国立公園に行くために忙しかった私はおっさんをほっといた。
国立公園から帰ってきたら誰か尋ねよう、くらいに思っていたのだ。
しかし、帰ってきたらおっさんはいなかった。
なんだったのだろうか。アルゼンチンの座敷わらしとかだったんだろうか。
首を傾げつつも疲れていた私はすぐに眠りについた。
そして夜。
ぶんちゃかぶんちゃか。
私が目を覚ますと騒ぎ声と音楽が聞こえてきた。旅先でテンションが上がりすぎた人々が騒いでいるのだろう。
極端に寝つきのいい私にはとくに問題のないことである。もう一度寝ようかと思った。
しかし、けたたましい音と声に誘われるように私の腹の虫も騒ぎ出したのでそうもいかなくなる。
騒がしいのはよいが、腹が減っては寝れないのである。
飯でも食うか。そう思って、音のするほう、リビングに併設されたキッチンを訪れる。
そこでは飲み会が行われていた。
人々はサッカーを見つつ、酒を飲み、パイをつまんでいた。
大方予想通りの光景でみんなご機嫌である。
しかし予想を裏切ることが二つあった。
一つは、私も飲み会に巻き込まれたこと。
もう一つはアンドレスとナチェという二人が一緒に騒いでいたこと。
彼ら、宿の人間である。なんで飲み会に参加しているのだろうか。
オーナーに怒られるぞ。と思っていたら、そこにオーナーが現れた。なぜか手に持っているワインをかかげて彼は言う。
「ネギ、飲むか?」
飲むけどさ。なんだこの宿。
それから2時間ほど一緒に飲んだのだが、疲れも残っていた私はそこで寝ることにした。
彼らはまだまだ飲むようだ。しかも気のせいでなければ参加者が増えている。なんだこの宿。
そして朝を迎えると、上のベッドにはおっさんがいた。
くだんの座敷わらしである。アルコール臭い。
……ん?アルコール臭い?ちょっと待てどんな座敷わらしだ。
こんな座敷わらしいるわけないやんけ。
さすがにちょっと不審に思った。
おっさんを起こし、問いただすことにする。
体を揺さぶろうとしたそのとき、おっさんの目が開いた。起きた。
寝ぼけまなこのまま彼は言う。
「だれだお前は」
私のセリフをとられた。
どういうことだ。私が不審者だと言うのか。
おいこら待ておっさん、もう一度寝ようとするな。
寝ようとする彼を起こして話を聞くと、どうやら彼は近所の人間のようだ。
夜、宿の人間と一緒に飲んでそのまま寝てしまったらしい。
近所の人間がそのまま泊まるって、どんな宿だ。
昨日、私が飲み会で食わしてもらった飯と酒もすべてタダだったし、友達の家かここは。
頭がおかしくなりそうだ。
健康でまじめな日本人である私はこんな環境には耐性がないのだ。
耐性がなさ過ぎて、次の日もみんなと一緒に飯を食い、酒を飲んでガキンチョとゲームしていた。
宿から出た日はワインの飲みすぎで二日酔いだった。わけがわからん。
不思議な宿である。
(イスチグアラスト州立公園の写真は今回出すはずでしたが、あまりにネット回線が弱くて写真をアップできません。なので、次回、タランパヤ国立公園のものと一緒に出します)
<関連記事>
次回→イスチグアラスト・タランパヤ国立公園旅行記@ラ・リオハ_世界一周旅行61
前回→アルゼンチンの月の谷へ@サン・アグスティン・デル~_世界一周旅行59
コメント
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現地の人と仲良くなれてよかったね、一昔前のユースホステルみたい(酒でないけど、)。こちら、熱くて死にそう、許容電力超えるとかいうことで、冷房止められて熱風かき混ぜています。脱原発は熱いです。
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生きてるかー?
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サンコンさんと同じ、生きてる?
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>サンコンさん
生きてます。心配かけて申し訳ない
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>熊五郎の家さん
ジャングル行ってました。生きてます。
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>熊五郎の家さん
いや、アホな宿でした。
暑い。たしかにそれは暑い。たまらんですな
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かもねぎさーん!お次の記事更新熱烈に楽しみに待ってますよぅ♪
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>2piecesのまりえさん
ありがとうございます!今日の夜には更新するつもりです!