うらやましい。アルゼンチンのシエスタ＠エル･チャルテン_世界一周旅行54

「はたらけ。もっとはたらけ」
勤労が美徳とされる日本ではこんなことをよく言われる。

だけど私はそれほど無理をして働いても仕方ないのではないかと思う。
無理をして能率が悪いだけだ。

日本の企業はアルゼンチンのように昼寝のために
長い休憩時間をとるシエスタの習慣をとりいれてもいいのではないだろうか。

私はエルチャルテンに着くなり、昼飯用の食材を買おうとスーパーへ向かった。
しかし、まだ午後１時だというのにどこもかしこも閉まっている。

ここに着くまで昼飯を我慢していたせいで腹がへっている。
私は泊まっている宿に戻り、宿の主人に開いている店がどこにあるか尋ねた。
すると、シンプルな答えが返ってくる。

「シエスタ（昼寝）だからないよ」

全員寝ているらしい。ここの習慣なので仕方は無いが、町のスーパーすべてが閉まっている町ははじめてだ。
しばらく食材は買えない。飯が作れない以上、宿でじっとしていても腹がへるだけだ。

せめて用事でも済ませようと私はバスターミナルへ向かった。２日後のバスチケットを買うためだ。
ターミナルの扉を開けた。チケットオフィスへ行くと、そこには看板がかかっている。

「CERRAD（閉店）」

すべてのチケットオフィスにかかっている。
お前らもか。

これで完全にやることが無くなった。
せめて少しでも腹をへらさないでいようと、私も宿に戻り昼寝をした。

午後６時に起床する。
移動で疲れていたせいかよく眠った。しかしそれにしてもはらがへった。

考えてみると今日はまだ飯を食っていない。パタゴニアの夜は早く、すでに暗かったので私は急いでスーパーへ向かった。

「CERRAD（閉店）」

なぜもう閉まっている。腹へったぞ。
宿の主人にどこが開いているか聞いた。

「暗いからねえ」

遠くのスーパーしか開いていないらしい。腹立った。

暗くても「CERRAD」、昼寝でも「CERRAD」。この町の人々に言いたい。

「もっとはたらけ」

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